2018/06/07 10:36
麻しん(はしか)が沖縄で流行する中、春の旅行シーズンと重なったために日本各地へ飛び火しています。
2015年3月に例年より感染者人数が激減したこともありWHOから日本は、麻しんは排除状態と認定されています。しかし、海外渡航者が感染して日本に持ち帰るケース、あるいは海外旅行者がウイルス感染者で日本に持ち込むケースで感染してしまいます。また、ワクチン接種を2回受けていない人は抗体価が低下しており感染する可能性があるためです。
麻しんの罹患人数は、2012年283人、2013年229人、2014年462人、2015年35人、2016年165人、2017年189人、2018年125人(2018年5月9日までの累計)と推移しています。
参照:国立感染症研究所「麻しん累積報告数の推移 2012~2018年」
麻しん(はしか)に感染するとどのような症状がでる?
麻しんは、感染すると治療する薬がないため対症療法を行います。感染すると10前後の潜伏期間を経て発熱、せき、鼻水などの風邪に似た症状が現れたり、明るさに敏感になったりといった症状が出てきて、少しかゆみがある発疹が現れます。
はしかの怖いところは併発する合併症に肺炎や中耳炎なども起き、重症化のケースだと脳炎(脳の感染症)や亜急性硬化性全脳炎 (SSPE)を発症します。
厚生労働省によると、脳炎の発症率は 1,000人に1人の確率と言われており、同様な確率で死に至る可能性があります。
補足:亜急性硬化性全脳炎(SSPE)は10万人に1人の確率で発症するごく稀な感染症で、はしかに感染してから数年の潜伏期間の後、徐々に神経症状が現れ、数年から十数年で死に至る病気です。
麻しん(はしか)に有効な予防手段は2回ワクチン接種すること
麻しんウイルスが感染しやすい特徴として空気感染といわれています。そのため麻しんはインフルエンザの7倍ほど感染力が強く、免疫を持たない場合はほぼ100%発症します。
いくら除菌剤、手洗い、うがい、マスクなどを駆使しても麻しんウイルスは防ぎきれません。
1度ワクチン接種していれば95%以上の人が免疫を獲得できますが、より確実に免疫を獲得するために2回目のワクチン接種することを推奨しています。一度低下した抗体価を増加させることができるため母子手帳を確認してみましょう!
下記のサイトで私たちがすべきワクチンについてまとめているので参考にしてください。
参考:【まとめ】主な定期予防接種と任意ワクチン接種でどんな病気を予防できるか